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1998年、私は、『恋するコンピュータ』という本を出版しました。〝恋するコンピュータ〟は、使い手を見つめ続ける可愛いAI(人工知能)のこと。それは、関係性の科学(感性の科学)の体現として、AIが目指した一つの夢でした。
それから、十年。AIの見果てぬ夢に挑戦した女性がいました。CLON Labの中山小百合さんです。彼女のおかげで、〝恋するコンピュータ〟は、CLONというかたちになって、この世に登場したのです。
携帯電話に自分の呼び名を入力すると、その語感に似たビジュアルの人型ピクトグラムCLONが誕生します。彼(彼女)の言動も、語感から予測される性格に基づいて設計されています。
その分身は、電子空間を散策して、面白そうな情報を拾ってきます。日記も書きます。メールもくれます。ときには、恋の相談にも乗ってくれます。とはいえ、恋がうまく行かない理由を、自分に似た分身に相談しても埒が明かないので、好きな人の名前と同じタイプの分身に恋の相談をもちかける・・・なんていう変則技も用意されています。
彼らは、仮想空間の中で、他人の分身と勝手に出逢ったりもします。分身同士の相性診断もできます。着目すべきは、対戦相性。二人で組んで闘ったら、どんなふうに強いかがわかるのです。合コンに二人で行ったら? ビジネスパートナーだったら? 分身同士の相性は、本人同士の相性に似ているので、その分析結果を現実世界で活かすこともできます。けれど、たまさか親友と相性が悪くても、「まぁ、分身のことだし」と客観視して笑うことも可能です。その「ゆるさ」が、このシステムの良さの一つなのです。
ゆるやかに自分に似た分身が、仮想空間でイキイキと時間を紡いでいく。「あなただけを見つめて傍にいる」のではなく、「あなたの同士として、一緒に世界を見渡しながら傍にいる」のです。
情報社会を生きるパートナーとして、情報空間をのびやかに歩く分身CLON。
CLONは、21世紀の科学=関係性の科学の試みとして生み出されました。ここにおいて、ITという精緻な道具は、自律型の知能ロボットに鮮やかに姿の変えたのです。密かに、ですが。
あなたも、CLONに出逢ってください。そして、一緒に、情報社会の未来を見守ってくれませんか。